ワンズライフコンパス株式会社
ワンズオフィス社労士事務所 発行人 大関 ひろ美
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この号の内容

  1. 退職した元社員が賞与を求めてきたら
  2. 支給要件を就業規則に明記する
  3. 定年退職や会社都合の退職には
  4. 8月の人事労務
  5. ひとこと

”争いになれば、きちんと定めた支給要件にそって合理的に運用した事実があったかどうかが個別に判断される”

退職した元社員が賞与を求めてきたら

 賞与の支払い日を待たずに退職した元社員が、賞与の支払いを求めてきた場合は、賞与支払い要件を就業規則や給与規程にどのように定めてあるかによって支払が必要かどうかが変わってきます。

 「賞与日に在籍していることを、賞与の支給要件」にしているのであれば、きちんと就業規則にそのことが書いてありこれまでの退職者にもその規定をあてはめて運用していたことが必要です。

 これについては、賞与について、支給日に在籍している社員にのみ支給するという支給日在籍要件を規程の中に書いておくことは有効で、それにより支給しないことは合理性があると認めた判例があります。(大和銀行事件最1小判昭和57年10月7日)

 多くの会社の就業規則等の賞与に関する条文には、何月から何月までを対象期間にして、夏と冬にそれぞれ支給すると定めていると思います。そして、賞与支給額を評価によって決める場合は、具体的な評価基準も記載している例が多いですね。

 使用者と元社員との間で、問題が起こるとすると、退職後に賞与の支払い日が来た場合に、使用者は、もう在籍をしていないから支給しないと判断し、元社員は、賞与の対象期間に在職していたのだから在籍していた期間について支払われるはずだと主張し思いに相違がある場合です。

支給要件を就業規則に明記する

 使用者が「賞与日に在籍していることを、賞与の支給要件」としているのは、賞与が過去の労働に対する評価としての支払いであると同時に、今後の労働に対する期待と意欲向上対策という意味を持っていると考えられています。
 しかし、この説にはいくつか考えなければいけない点があります。

 賞与査定がそれ以前の業績等の査定に基づいているならば、賞与支給日在籍要件は、その期間の労働に対して賃金の未払いが発生するのではないかという論点があります。これについては、就業規則で賞与支給日在籍要件をきちんと明記していれば、元社員には賞与を請求する権利が発生しないと考えられています。

定年退職や会社都合の退職には

 賞与が過去の労働に対する評価としての支払いであると同時に、今後の労働に対する期待と意欲向上対策という意味を持っているとすると、定年退職者や整理解雇などの会社都合で退職させられた元社員については、賞与を支払うと考えるのが妥当です。本人の意思に反して将来の労働の可能性を奪われたのだから、賞与支給日に在籍しなくても過去の労働に対して賞与が請求できると考えられるからです。

  このほか、賞与の支給額などの労使交渉が長引いた結果、賞与支払い日が遅れたために賞与支給日に在籍していたはずが、賞与支給日が退職日よりも後になってしまった場合は、退職者に賞与を受け取る権利を認めた裁判例がありますから、こうした場合は注意が必要です。

8月の人事労務カレンダー

トピックス:屋外で勤務する社員の健康管理に気をつけましょう。睡眠や適切な休養と水分補給を励行しましょう。気温の上昇とともに熱中症にかかりやすくなっています。

日付 実務など
H27.8/10 源泉徴収税・住民税の納付(税務署・市区町村)
建設業の労災保険一括有期事業開始届の提出(前月分。労基署へ)
8/31 健康保険・厚生年金保険料の納付