ワンズライフコンパス株式会社
ワンズオフィス社労士事務所 発行人 大関 ひろ美
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この号の内容

  1. マタハラ判決と通達改正
  2. 均等法&育介法で不利益扱い禁止
  3. 現場ではコミニュケーションを
  4. 6月の人事労務
  5. ひとこと

”法律解釈の通達があるが、争いになれば、客観的な事実があったかどうかが個別に判断される”

マタハラ判決と通達改正

このところずっと、職場のコミニュケーションの大切さを感じています。
職場の労働問題では、○ ○ ハラスメントと呼ばれるものの略語・新語がいくつか話題になっています。セクハラ、パワハラ、マタハラ、オワハラなどですが、現時点で、法律に何らかの定義があるのはセクシャルハラスメント(セクハラ)に限られています。
今回は取り上げる「マタハラ」は、法律の用語として用いられてるわけではありませんが、妊娠・出産・育児休業を機会に労働者が納得しない処遇を受けたというマタニティ・ハラスメントの略語が「マタハラ」という共通認識になってきています。

さて、2014年10月に妊娠・出産等を理由に事業主が行った降格の効力と、役職手当等の減収に対する損害賠償が争われた最高裁の判断があり、「マタハラ判決」と呼ばれました。降格等に必ずしも労働者が同意していないなど事業主にはきびしい判断になりました。
この判断を受けて厚労省は、2015年1月23日に「男女雇用機会均等法」(以下、均等法といいます)と「育児・介護休業法」この2つの法律の解釈通達が改正する通達とQアンドAをだしました。

均等法&育介法で不利益扱い禁止

均等法や育児・介護休業法は、「事業主は、女性労働者が妊娠、出産、産前産後休業、育児休業の申し出又は休業を取得したこと等で不利益扱いすることを禁止」しています。禁止されている不利益扱いの範囲は、かなり広く解雇、契約更新の拒絶、降格、人事考課の不利益評価などが指針に列挙されています。

2つの法律を解釈する通達が本年2月に改正されて、事業主が不利益扱いをしたとされる判断する「原則と例外」の判断基準が追加されました。紙面上、均等法だけを取り上げると、不利益扱いをしたとされないためには、

例外1
20150523_1 ・業務上の必要性から支障があるため不利益取扱いを行わざるを得ない場合において、
・その業務上の必要性の内容や程度が、法第9条第3項の趣旨に実質的に反しないものと認められるほどに、当該不利益取扱いにより受ける影響の内容や程度を上回ると認められる特段の事情が存在するとき

例外2
20150523_2 ・労働者に有利な影響が存在し、かつ、同意している場合において、
・労働者に有利な影響が不利益な影響を上回り、労働者に適切な説明が行われる等、一般的な労働者であれば当該取り扱いについて同意するような合理的な理由が客観的に存在するとき

となっています。個別に判断されるものでありますが、判断要素は総じて「業務上の必要がどれくらいあったか」、「労働者の不利益と利益の影響はどちらが大きいか」、「労働者に説明が行われて同意したか」、「ほかの労働者でも同意するような状況だったか」、と言えるでしょう。

たとえば、こんな例はどうでしょう。
例外1と例外2の状況を合体させて、業務の必要性が小さいのに、労働者によく説明をして同意を得て、労働条件は一部をみれば不利益で、一部をみれば有利な条件変更もあった場合はどうかというと、例外2の判断基準の条件変更の内容が問題になってくるように思います。

労働者の利益が大きく、説明がなされ労働者が納得しているならば労働条件の不利益変更とされない可能性が大きいと思います。

現場ではコミニュケーションを

ハラスメントが問題になった職場でヒアリングをすると、「どうしてここまで人間関係がこじれてしまったのか、こうなるまでにすり寄れる場面があったのではないか。」と残念でたまらない思いになることがあります。

産前産後休業や育児休業を取る労働者が、職場復帰してくるまでの間、職場のメンバーに負荷がかかることもあるでしょうし、派遣社員等で補充していることもあります。

その反面休んでいる女性労働者も、妊娠による体調変化や、産後は慣れない育児に奔走しながら、どのように仕事を両立しながら復帰するかについて不安を抱えているというアンケートを見たことがあります。

労働者から妊娠を告げられたら、事業主は職場に復帰する予定の人をどのように活用していくかと、労働者はどのように働きたいかを、お互いの思いを話し合って、よくコミュニュケーションをとることも大事だと思います。
そして、出産等でキャリアを中断した労働者も、復帰後はキャリアステップの道筋に戻して評価する制度も必要です。

厚生労働省のリーフレットは、こちらでご確認ください。
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000082585.pdf

6月の人事労務カレンダー

トピックス:社員等の住民税特別徴収額が郵送で届きますので、6月・7月の給与天引き額を変更しましょう。
行政から届く書類として、労働保険料申告書、被扶養者確認調書、算定基礎届があります。

日付 実務など
H27.6/10 源泉徴収税・住民税の納付(税務署・市区町村)
建設業の労災保険一括有期事業開始届の提出(前月分。労基署へ)
6/30 健康保険・厚生年金保険料の納付