ワンズライフコンパス株式会社
ワンズオフィス社労士事務所 発行人 大関 ひろ美
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この号の内容

  1. 言葉のセクハラ懲戒妥当_最高裁
  2. 経緯
  3. セクハラの起こらない職場に
  4. 3月の人事労務
  5. ひとこと

”役職者は事業主と協力して良好な職場環境を作る役割を担っていると再認識を”

言葉のセクハラ懲戒妥当_最高裁

 ニュース等でご存じのとおり、2月26日にセクハラによって会社が行った懲戒処分が有効かどうかを争う裁判について、最高裁は会社の懲戒処分は妥当であったと判断しました。

 この争いは、大阪市の第三セクタで水族館等を経営する会社の男性管理職2人が、女性派遣社員と請負社員に言葉によるセクハラ発言を繰り返したとして、会社側が出勤停止・降格・減給・配置転換・賞与減額の懲戒処分を行いました。

 それに対し男性社員らは、会社は警告をせずに出勤停止や降格等を行った懲戒処分は重すぎると考えて訴えをおこしていました。裁判の2審では会社の懲戒処分が否定されていましたが、上告審判決が26日に最高裁であり、第1小法廷(金築誠志裁判長)は判決理由で「会社内でセクハラ禁止は周知されており、処分は重すぎない」として、処分は有効としました。

経緯

 26日のニュースで流れていた、セクハラ発言内容を聞く限りでは、まあ過去には、職場で「あんた、もうお局やなあ」等をいう人もいた記憶があります。その記憶は、おそらく均等法にセクハラが登場する前のこと。

 さて翌日の27日さっそく2審の判決文章と最高裁の判決文章を読みました。 その被告男性社員2人が発言した内容と、行動は現在の職場において、法令順守の姿勢に欠けていると感じるものでした。

 この組織は大阪市が水族館を経営等の目的で出資する第三セクターの株式会社です。 会社は、経営する施設の利用者の多くが、子供や女性であることも考慮して、男女雇用機会均等法にあるセクハラ防止策として、セクハラを行わないとする宣言をかかげて、社内のセミナーを行っていました。

 しかし、男性社員X1は女性の派遣社員Aさんが職場のブースに一人でいる際に、X1自身の性的な会話を複数回行っていたといいます。また、男性社員X2は、女性の請負社員Bさんに対して、本来Bさんの個人的な選択であるはずの結婚について不快な会話を行っていたといいます。

 それに加えて、X1とX2の間で行われる個人的な会話が聞こえることがあり、それは女性には不快に感じる内容だったようです。また、セクハラとされた行為には、体に触れる身体的ハラスメントは認められなかったようで、職場における言葉のハラスメントのみであったことも今回の注目点です。 そして、X1らが役職社であったことも2つ目の注目点です。

 これらについて裁判の中でX1やX2は、「女性社員らが具体的に迷惑であると意思表示を示さなかった」と言っていますが、最高裁判決文では次のように判断しX1らの訴えは考慮されていません。

「X1らに有利な事情としてしんしゃくするが、職場におけるセクハラ行為については、被害者が内心でこれに著しい不快感や嫌悪感等を抱きながらも、職場の人間関係の悪化等を懸念して、加害者に対する抗議や抵抗ないし会社に対する被害の申告を差し控えたり躊躇することが少なくないと考えられることや、(一部省略)本件行為の内容等に照らせば、仮に上記のような事情があったとしても、そのことをもって上告人らに有利にしんしゃくするこは相当でない」としてX1らの主張を考慮しませんでした。

 今回のように上司から行われたセクハラは、部下が具体的な抵抗をしにくいと判断されました。また、事前に個別警告がなかったことについては、せまいブースで行われた会話を事業主が知ることは困難であり、日常的に個人を指導することは困難であり、組織全体にセクハラ防止策を行っていた事業主の体制も考慮し、懲戒処分内容は妥当とされました。

 職場の秩序をマネジメントする役職者は、今一度防止策をご確認ください。 

 

セクハラの起こらない職場に

 「職場のセクシャルハラスメント防止対策は事業主の義務です。」改めて防止義務策を確認される場合は、以下の厚生労働省のリーフレットが参考になります。

https://kokoro.mhlw.go.jp/brochure/supporter/files/kigyou01b.pdf

 もし、職場でセクハラ行為があった場合は、行為者にやめるよう指導をし記録を残すとともに、就業規則にそって懲戒処分を行うことと、処分の重さが違反行為につりあっていることが重要です。 

 事例記録として最高裁の判決文章をこちらに紹介します。 (pdfの11ページはX1とX2の行為一覧)

3月の人事労務カレンダー

トピックス:閏年におこなわれる秒の挿入や削除。今年は、26回目の閏秒(うるうびょう)の挿入が、2015年7月1日午前9時直前(日本時間)に行われるようです。

日付 実務など
H27.3/10 源泉徴収税・住民税の納付(税務署・市区町村)
建設業の労災保険一括有期事業開始届の提出(前月分。労基署へ)
3/15 所得税の確定申告受付(3月15日まで)
3/31 健康保険・厚生年金保険料の納付