ワンズライフコンパス株式会社 ワンズオフィス社労士事務所 発行人 大関 ひろ美
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この号の内容

  1. 労災と新型インフルエンザ
  2. 感染源が特定されるか
  3. 予防的に休業を命じたら
  4. 事業主には予防の配慮義務が
  5. 7月の人事労務
  6. ひとこと

労災は感染源が特定され業務に起因しているかどうか個別の認定によって判断

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

労災と新型インフルエンザ

感染症の中には、重篤な症状になるものや死亡するようなものもあります。 例えば、新型インフルエンザにもそういった症例があるようです。 もし、社員が「り患」して休業や万が一死亡した場合その原因が業務に関連していた場合、労災の補償の対象になるのでしょうか。

こうしたことは、個別の事案ごとに業務に起因しているかどうか判断することになります。 また、厚生労働省がホームページに掲載しているQ&Aによると次のように給付対象になる場合があるとしています。

Q10.新型インフルエンザ発生時において、職場又は通勤途上で新型インフルエンザに感染(死亡)したことが明らかとなった場合、労災保険給付の対象となりますか。

→→A10.一般に、細菌、ウイルス等の病原体の感染によって起きた疾患については、感染機会が明確に特定され、それが業務又は通勤に起因して発症したものであると認められる場合には、保険給付の対象となります。

感染源が特定されるか

新型インフルエンザの感染経路が特定できるかどうかや、またそれが業務に起因しているかどうかの判断は、あくまで個人的な意見にすぎませんが難しいように思います。ただし、国内に感染源が見当たらない場合で海外出張の際にその地で流行しているものに感染したような場合は、比較的特定されやすいのではないでしょうか。

実は先日、健康保険組合の傷病手当金セミナーをしたときに、「保健福祉施設や病院などで職員がO157に感染した場合は労災補償の対象になるのかどうか」と質問を受けました。これについては、職場である保健施設でO157にかかった患者から職員が感染したと特定され、感染の原因が業務に起因していると認められるケースでは、労災補償の対象になると思われます。

一方で業務上の原因でない(*)とされる場合は、健康保険制度が給付をすることになります。治療にかかる費用は医療費から給付し、また、私傷病のために休んだ場合に給料がカットされていれば健康保険の傷病手当金給付の対象になります。

(*平成25年10月からは、健康保険法の目的の規定表現がかわります。労災給付の対象にならないものは健康保険法の対象になるという法改正が予定されています。)

予防的に休業を命じたら

新型インフルエンザかどうか分からない時点で、発熱などの症状があるため労働者が自主的に休む場合は、通常の病欠と同様に取り扱えばよく、病気休暇制度を活用すること等が考えられます。また社員の判断で有給休暇を請求することもあると思われます。

一方、例えば熱が37度以上あることなど一定の症状があることのみをもって一律に労働者を休ませる措置をとる場合のように、使用者の自主的な判断で休業させる場合は、一般的には「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当たり、休業手当を支払う必要があります。

また、医師の休業の指導の範囲を超えて授業主が休業を命じた場合は、一般的に「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当たり、休業手当を支払う必要があります。

事業主には予防の配慮義務が

労働契約法第5条は、「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をする」ものとしています。厚生労働省は、安全配慮の必要性を述べるにとどめており、事業主の責任についてははっきり表現しておりませんが、まずは業務や通勤の途中で感染をしないための予防の配慮をするように以下のように呼びかけています。

【一部編集して掲載します】労働契約法第5条にいう使用者の安全配慮義務の具体的内容は、労働者の労務の具体的状況等により異なるものであるので、一概には言えませんが、労働者が就業に際し新型インフルエンザに罹患しないよう、健康管理配慮などの必要な感染防止策を講じていただくようお願いします。

いずれにせよ、現時点では、災害が発生したときの責任の有無を論ずるのではなく、まずは、労使が協力して、就業中や通勤途上においてインフルエンザにり患しないよう必要な備えと対策をお願いします。

新型インフルエンザに関する企業対応の詳細はこちらで確認できます。ほかの感染症流行がはやった場合にも参考になりますので一度ご覧下さい。:新型インフルエンザ(A/H1N1) に関する事業者・職場のQ&A

http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/21.html

7 月の人事労務カレンダー

トピックス:7月の給与から天引きする「住民税特別徴収の額」を変更することをおわすれなく。
日付  実務など
7/10  労働保険料概算確定申告と納付
 算定基礎届けを年金機構へ提出
 源泉徴収税・住民税の納付(税務署・市区町村)
 建設業の労災保険一括有期事業開始届の提出(前月分。労基署へ)
7/30  健康保険・厚生年金保険料の納付